【感想】奨学金という名の「借金」。学費が高騰するの中で我が子にどう進学させるか「女子大生風俗嬢 若者貧困大国・日本のリアル」
動機
タイトルだけで興味を示したのもあるけど、なぜ風俗嬢やAV女優にならないといけなくなったのかと。ニュースにも取り上げられているし、素朴な疑問を解決したく手に取ってみました。
きっかけは経済的な問題
きっと誰しもが思いつくであろう。経済的な問題で風俗嬢になってしまう女性はやはり多いらしい。
そんな中でも、本書は学生にフォーカスして取り上げている。
特に奨学金事情が多く、沖縄のことを書いてある興味深い章があった。
ぼくも出身は沖縄で奨学金を借りて、専門学校を卒業しているので、「なるほど」と共感をすることも多々あった。共感ではなくまさにその通りなんだよなって感じた。
中卒は時給670円
大卒か夜の仕事は800円
と、バイトでも全国でも最低賃金ではないでしょうか。物価とか細かいとこを除外しても安いよなって印象は受けるはず。
ぼくの家庭も決して裕福とは言える環境ではなかったし、専門学校からは奨学金を借りながら、昼は働いて夜学に通っていた。
沖縄に限らず、そういう方はたくさんいると思うが、沖縄の人はそういう人は多いと思う。公務員以外は安月給で生活するだけで手いっぱいの人も周りにもいました。
普通にバイトするより
最低賃金に近い時給でバイトをコツコツ稼いでも、学生しながらだと時間の制約もある中だと稼げるお金はたかが知れていますよね。10万いけば良い方だと思う。
そういう事を考えると、風俗っていう「職業」を選ぶのは、まっとうな考えだと思った。
効率よくお金を稼ぐとなると普通の思考ならそこに行き着くよね。
学生しながらだと生活費と学費を工面するのは大変なんです。
卒業してからも
在学中だけでなく、奨学金は卒業してからが本番なんだと実感している。
奨学金という名の借金なので、卒業してから多額の借金を背負わせられるわけ。
例えば、月10万円借りて大学を4年間行ったとすると、単純計算で480万円の借金が発生します。
今思えば、就職できるか分からない状態で学生のうちから、これだけの借金するってことは恐ろしいことだなって思った。
この就職氷河期の時代に、ぼくは運良く就職に成功し生活できている事に感謝している。
奨学金って卒業してから、すぐに返済開始でなく、だいたい半年後ぐらいから返済が始まるんだけど、きっとそこが就職するまでの猶予なんだと思う。
返済が滞ると、ブラックリストに登録されるしクレジットカードが作れなくなったりと銀行からも融資が受けれなくなるから、その後の人生に影響が出てしまう。
就職しても安心ではない
運悪くブラック企業に就職してしまい、何かしらの理由で返済ができない人たちがいる。給料の面もあるが、パワハラとか受けて精神的に参ってしまう人たち。
給料面の問題であれば、転職するなり、この本書で取り上げている副業で風俗嬢をするって選択肢があるからまだ良いと思う。
問題は精神的に参ってしまう人たちだ。
返済が滞ってしまうと、本人だけでなく、連帯保証人にも迷惑がかかる。
そうなっては、自己破産か何か手を打たないといけない状態になると思う。
奨学金を貸し出してている日本学生支援機構には、奨学金の毎月の返済減額や、返還期限猶予ってサービスがある。
ぼくは、国試浪人しているので、卒業した年には返済することが難しかったので、返済期限猶予願いを出した。その猶予期限は1年しか待ってもらえなかったので、いつまで猶予期間が取れるかは個人個人で違うと思う。
就職したからって返済できる確約はないようだ。
最後に
ぼくは、この本を通して奨学金はどういうものかと再確認できました。
これから、奨学金を借りようと考えている方は、よく考えてから借りた方がいいでしょう。「なんとかなる」とか安易な考えで借りるとすぐにブラックリスト行きになると思います。
親御さんも、その辺はしっかり考えてから子供に進めないと将来が大変になります。
女性が身体を売ることをメインで書いてあったけど、男性のことも書いてあったすごく勉強になりました。
日本学生支援機構の"奨学金"という金融事業は、国の政策だ。事業を計画した官僚たちは、未来ある若者たちが唯一の持ち物であるカラダを換金して、やっと学生生活を送っている現実に何を思うのだろうか。もし、"想定内"だとしたらおそろしい。
この本は、親御さんや子供と一緒に読むことで奨学金を借りる、借金をするってことの意味を深めるのに良い一冊。
一読する価値はあると思います。
奨学金を借りる前に出会いたかった。
こんな感じっ