【感想】マッサージまがいのことは意味はない「間違いだらけのリハビリテーション」を読んでみた
完全にタイトルに惹かれて購入してしまいました。
理学療法士をやっている方からしたら、挑発的なタイトルだなって思ってしまうんじゃないかなぁ。
「リハビリ」っていっても幅広いので、間違いなんてことがあるのかと思ってしまう部分もあるけど…
著者の三好 氏はリハビリ専門医として33年の経歴があるなかで、「立ち上がり訓練こそが、最適のリハビリ」だと訴えている。
療法士からしたら、立ち上がり?
そんな簡単なことでいいの?
って思うかもしれないですね。ぼくも思いました。
いろいろな手技が乱立している中、自分はどこに身を投じたらいいのかと迷っている方は、なおそう思うかもしれませんね。
この著書は、そんな悩みも払拭してくれる内容となっている。
まずは活動量をあげよう
病院にいる方は、いろいろな理由でベッドで寝ている方が多い。
寝てれば寝ているだけ、身体は弱っていく。
どうしようもない病気で寝ている方は別として、廃用症候群は避けたいところ。
立ち上がり訓練の有用性
著書ではなぜ、立ち上がり訓練が最適なのかと、実際の研究データや日常生活の動作を交えながら説明している。
療法士なら自分の訓練内容が、どうしたらクライアントの日常生活に反映するかと日々考えながらやっていると思う。
リハビリ室では出来るのに、病棟や家では出来ないとなると、リハビリやっている意味としては薄くなってしまいますよね。
ベッドで寝てやるマッサージとかは、意味のないことだと三好 氏は強く訴えています。
耳が痛い話だけど、実際そうなんですよね。
クライアント側も「リハビリ=マッサージ」とか思っている方も多いので仕方のないことだけど、こういうイメージってどうやったら払拭してあげれるのかなって日々考えています。
療法士側の意識改革も必要だけど。
立ち上がり訓練は全身運動
実際に、立ち上がり訓練時の筋活動を計測するために、筋電図を用いてデータをだしているので、それを見たら全身運動なんだってことは納得がいく。
しかも、ただ歩いているよりも筋活動は活発的に働いている。
全身運動なので、ただ寝てやるリハビリよりは、たくさんの筋肉を動かすので精神的にも良い。
身体を動かすことで、脳内物質のセロトニンなどが分泌するので、憂鬱な気持ちも飛ばしてくれます。
片麻痺の方にも最適
片麻痺っていったら、麻痺側をどうにか治療しようと思っている方も多いと思う。
クライアント側からしても動かない手足が動くようになったら嬉しいし、療法士たちも可能な限り希望によりそって、リハビリを行っている。
ただ、そこだけにフォカースしてアプローチをしていると、健側も含め全身の筋力低下が起きてしまい、なかなか日常生活に反映できていないとう残念な結果になってしまう。
経験則からしか言えないけど、片麻痺の方でも健側がうまく使える方は比較的、なんとか日常生活は送っていけている印象。(本人の希望通りの結果になっているかは不明だけど)
立ち上がり訓練は、健側も使い尚且つ日常生活を送るためにはかかせない足の筋肉が重点的に働くので、日常生活に反映しやすいと、著書でも書いてあって納得。
FIMの項目を見ても点数化されているのは、足を使った項目が多いはず。
取り合い図、活動量アップしてから、細かい動作などへのアプローチはしましょうねってこと。
廃用症候群になってしまっては、それこそリハビリを受けている意味がなくなってしまう。
さいごに
どんな疾患でも、どんな方でもまずは動いてなんぼだと思う。
ぼくも徒手的なとこに頼ってしまってたところはあるので、この本を読んで刺激を受けました。
徒手療法は良い面もあり悪い面もあるから使い分けていきたいとこ。
「立ち上がり訓練」は、クライアントにも分かりやすくシンプルな運動だと思うので、自主トレとしてもオススメ出来そうです。
この著書は専門家以外の方でも分かりやすい内容となっているので、病院のことやリハビリのことを知りたいかたは一読してみる価値はあります。
療法士や専門家の方には是非読んで欲しい1冊です。
ジャケ買いみたいに購入した本だったけど、とても参考になりました。