365日体制の回復期リハビリテーション病棟は要らない!
今回は、本業の理学療法士に関することを書いてみようかなって思います。
病院はいくつかの種類があって、ジャンル分けみたいにできます。
簡単に分けると
- 急性期(手術などが必要な時期)
- 回復期(症状が落ち着きリハビリなどをする時期)
- 生活期(生活の質を考えていく時期)
大雑把にこんな感じに分けることができます。
その中の回復期は、主にリハビリがメインで、365日リハビリを行っているところもある。
これは病院の施設基準にもよるけど。
その365日体制のリハビリをやる意味があるのかなって思ったので、そのことについて書いてみます。
回復期病棟って?
病気や怪我の種類は違っていても、自然回復や集中的なリハビリテーションにより身体の機能や日常生活動作(ADL)の改善が見込まれる時期を「回復期」という言葉で表しています。
脳卒中や大腿骨頚部骨折など大きな病気や怪我を発症すると、急性期病院で治療を受けて命の危機を脱し、全身状態はひとまず安定します。
しかし、まだまだ麻痺などの障害が残っている場合が少なくありません。
ただし、こうした症状はすぐには固定せず、その後も引き続き機能や日常生活動作(ADL)などの回復が期待できる期間が続きます。
この期間は病気の種類や発症した場所、発症してからの期間などに左右されるため、回復期リハビリテーション病棟では入院できる患者さんの病名、発症してからの期間が決められています。
-回復期リハビリテーション病棟協会より引用
骨折した部位や脳卒中などの病状が落ち着いたので、リハビリを頑張りましょう!ってのが回復期リハビリテーション病棟です。
回復期病棟リハビリテーション病棟は、名前の通りリハビリがメインなので、365日体制でリハビリを提供する病院があるんです。
その365日体制でリハビリを行っていることに思うことがあったので、書いてみます。
365日をリハビリをする意味
患者さんにとって、「回復期」は集中的なリハビリテーションによって機能回復が最も期待できる時期であると同時に、心理、社会、経済的問題も多々生じやすい時期といえます。
生命の危機を乗り越えひとまず安心したものの、「手足の麻痺は元に戻るだろうか」といった不安や、「麻痺が戻らなかったらこれから先どうしたらいいのか」等の不安がいっぱいあります。
このような複雑な心身状況にある患者さんや家族に対し良質な入院医療サービスを提供するためには担当医師だけの力では不十分です。
大勢の看護・介護スタッフ、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、ソーシャルワーカー(社会福祉士)、(管理)栄養士、歯科医師・衛生士、義肢装具士、薬剤師など…さまざまな専門技術・知識を持った医療スタッフがチームを組んで、患者さん、家族と一緒にADL向上や家庭復帰に取り組むことが必要です。
リハビリテーション医療では、チーム医療が重要な位置を占めているのです。
-回復期リハビリテーション病棟協会より引用
365日チーム医療で患者さんを支えていきましょう。
ってのが365日リハビリを提供している病院です。
ご察しの通りなんですが、365日リハビリを提供するってことは、それりにスタッフの人数がいないといけません。
多いところでは、リハビリスッタフは100名近いところもあると聞きます。
100名ってすごいですよねー。
人間関係とかめんどくさそうです…
休みも不定期だから、スタッフにも負担がかかるんですよね。
リハビリをしても治るには限界がある
365日リハビリをする意味から考えると、回復期って時期は患者さんからしたら大切な時期です。
ぼくは、亜急性期、回復期、生活期、特別養護老人ホームと経験しています。
正直なところ、回復期はパッとしなかったんですよねぇ。
これだけ言えることは、骨折したら元には戻らないし、脳卒中を起こしたら死んだ神経細胞は元には戻らない。
もちろん認知症になったら進行を遅らせるぐらいしかできず、元には戻らないです。
残酷な言い方ですが、これが現実です。
それでもリハビリをするわけは、骨折する前、脳卒中が起きる前の近い状態にすること。
みんながみんな近い状態に戻れるわけではないので、個人差があります。寝たきりになる方もいれば、車椅子生活になる方もいる。
杖などを使わないで、歩いてた方は杖を使って歩けるようになったりとする方もいるので、ほんと個人差は大きいです。
365日体制リハビリは要らない!病棟生活でよくなる!
リハビリが全くいらないってわけではないんです。
あった方がいいのは大前提のお話なんだけど、ほんとに365日体制は必要なのかなって感じる。
回復期リハビリテーション病棟っていっても一人の患者さんに24時間付きっきりでいるわけではありません。
リハビリの時間は決まっていて、症状などによって1日3時間のリハビリを受けることができます。
その他の時間(21時間)は病棟での生活がメインとなります。
病棟での生活は、看護師、介護士さんがメインとなって手伝ってくれて、いかに病棟で患者さん自身が動いてくれるかで、回復度合いが決まってきます。
日常生活は365日!
自分たちも含め時間は平等であり、365日がリハビリ!
セラピストが介入しなくても日常生活がリハビリなんです。
セラピストの役割としては、病棟の看護師と介護士と密に連帯し、介助のやり方や注意点などを伝えることが仕事だと思っています。
リハビリ室で獲得した動作をどれだけ、日常生活に反映できるかが大事なんです。
さいごに
365日体制でセラピストがリハビリをやらなくても、病棟側がしっかり日常生活でリハビリを行ってくれたら、365日体制なんていらないんじゃないかって思うんですよね。
これは個人的にですが、365日体制のリハビリ提供がなくなってら、休日も休めるしもっとプライベートも充実できるんじゃないかと思っています。
365日の回復期で勤務しているセラピストってどんな感じで生活しているんだろうか。ぼくにはちょっとムリ。なんか奴隷のようにしか思えないって誰かが言ってたなぁ
— ねこさと(PT) (@ynbr333) 2016年12月29日
雇われの時点で奴隷なんだけど、365日体制って余計に奴隷感が増してくるよね。
いろいろ経験してきて、生活期の方がセラピストとしてやり甲斐などは感じることはできました。
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